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仕事の話 (その6) 2015-06-12 [仕事]

 頼んでいた友人のコメントが以外にも早く届きました。その中で改めて確認できたことがありました。施主側の個有の状況です。今回のテーマにとても大事な要素を含んでいると思います。それは、友人の両親は既に亡くなっている。友人夫婦には男の子はなく2人の娘がいる。二人の中、一人は嫁いでいて2人の孫がいて近くに所帯をもっている。もう一人は未婚でやはり近くに別住いしている。友人夫婦は現在70歳代半ばである。亡くなった妹は外国人と結ばれたが、子供はいない。およそこのような家族関係の中で、妹の墓石を建立することになった理由について、彼は次のように話してくれました。

 

「私は、娘二人で男の子がおりません。ここ数年、いまふうに、私の代で墓じまいをしなくてはいけないか、随分と悩みました。娘二人と何度も話し合い、我が家の墓を継続していく、と結論を出しました。静かにたたずんでいる御影石の墓石の前に立つと心が安らぎ、我が家の墓の継続を決意してくれた娘たちに、感謝の気持ちが湧いてまいります。

 私たち日本人は殆どの人が無宗教です。「いえ」の喪失とともに、アイデンティティを失う人が多くなりました。墓は、先祖を祀り、その前で手を合わせることで自らのアイデンティティを確認し、自尊心を持つ一助になると確信しています。」

 

 彼の考え方に私は大いに納得できます。そして多くの日本人も同様の考え方をすると思うのですが、あえて、問題提起すると、今の社会で彼とは異なった結論を出す人もいるわけで、その人達の割合はどの位なのでしょうか。彼の場合、一旦は墓じまいをすべきかと悩んだけれど娘二人と何度も話し合いした結果、墓を守り続けることにしたわけですが、或る人は墓じまいを選ぶか、又或る人は墓石でなく樹木葬、森林葬を選択するか、散骨を選ぶかに分かれることもあり得ます。友人が墓石以外の選択をしなかった大きな理由の一つは二人の娘としっかり話をしたことにあると思います。

 故人の供養、血族の継承、今を生きる自らのアイデンティティの確認、家族の会話、安心感、満足度等人生を全うするに値する根元にふれることが出来るのも墓石があるからに違い有りません。(つづく)
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