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師走雑感 8        2011-12-27 [思索]

1990年代の前半に立ち上げた石材同盟は、中国泉徳会と名付けられコアとなる工場の数8社が以来今日まで永らえてます。

具体的にこの会で何を目指したのかといいますと、一つは情報の共有、二つは加工技術の向上、三つは生産合理化対策(生産銘柄の調整)、四つはクレーム(の原因)の共同研究と対策、五つは操業の安定(受発注の集中)で、この会の運営の中で最も重要なことはメンバー工場同士の信頼関係とそして買手として我社と彼等との間の信頼関係の構築でした。先程ふれました様に、それまでは互いにライバル工場という関係の連中でしたから、各々が自分の弱みを見せるはずもありません。そして、買手と言いながらも果たして彼らが満足するような発注量を保てるのかという心配もありました。

 ともかく、私の呼びかけに応じてくれて同意をしてくれた以上、後づさりは出来ません。

この様な過去に全く例のない日中石材同盟を問題なく運営していくためのポイントは、この会の私の役割が何をおいても工場の安定操業の維持であり、その為には日本市場での販売力の如何にかかっていると認識することにありました。

一方、会の運営に対しては強権を発動することはしませんでした。彼等の自主運営に任せ、ただ日本の石材業界のニーズから外れぬよう心掛けました。会の集まりは毎月定期会議を行い、そこでは当初の目的に沿って主として技術上の問題を中心に改善策が話し合われましたが、予想した通り始めの段階では中々各工場の不利や失点に係わることに触れたがらない様子がありましたが、回を重ねる中に他社、自社問わず、発生した問題について積極的に論議し、互いが他山の石とすべく積極的に意見を出してくれました。私は年数回必要に応じて訪中しましたが、その折に臨時会議を招集してもらい、私は私が感じている日中石材業の現状認識について話しをすると同時に我社の経営方針などを伝えていきました。

私がいつも気にかけていたのは「会そのものが継続できるか。」「会の構成メンバーに信頼関係を構築できるのか」「会員工場の経営向上に繋げられるのか」「会員の姿を日本のユーザーにどの様にしたら伝えられるのか」でありました。

この思いの具体的な発露の仕方をまとめますと次のようでした。

会議の都度、業界動向について話をし、なおかつ、その時その時の対応策について話し合うことで彼等の関心は集まり、会に加盟している意義を感じてもらうといった事とか、会員同士が切磋琢磨する環境を作るために各々の失敗の原因につき正面から向かうことが有効でありました。そして、何よりも発注量を絶やさない為の営業努力を重ねながら、概ね順調にやってこれたのは、泉徳会の協力を背景にユーザーの信頼に繋がり、受注量の増大が可能になりました。やがてユーザーと作り手の関係が更に密接となるようにと考え、特別訪中団を組織するなどして、顔が見える間柄の実現を目指しました。

毎年1回、秋から冬にかけて「泉徳会コンクール参加」訪中旅行というイベントが確立して以来今年で12年間続いております。このコンクールの狙いは、会員工場が技を競い作った墓石製品を一堂に集め展示し、これをユーザーの訪中団が評価し、意見を出すという場であります。

これにより、工場はユーザーの欲しい物、又ユーザーはどのメーカーが希望を叶えてくれるのかを顔を見ながら分かり合える関係を作っていくこととなったのです。

ここで大事な点を一つ挙げますと、展示された沢山の墓石は参加したユーザーが気に入ったものはその場で売約されますが、売れ残りが生じても我社で全て引き取るという約束のもとに出品され、その通り実行して来たことです。このやり方は後でも述べるつもりですが、長年培って来た、対中国石材取引きの源流であろうと思ってます。(つづく。。。)


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