マカオ行き 2012-07-31

当初私が思い込んだ、今回は大勝が狙えるという話は不可能としか思えず、
それどころか元に戻すことが精一杯であり、
よく頑張ったものと自分に言い聞かせるだけ幸せな気分に浸ったことでした。
同時にまことに辛い戦いをしたものだとの思いもありました。
その様な気分で夕食に臨んだ時は、はしゃぐでもなく、めいるでもなく、
大げさに言えば無力感にとらわれていたのかも知れません。
明朝は朝食抜きの朝8時のホテル出発と決まっておりましたから、
夕食後に残された最後の時間のプレイをどうするか、自分の中で迷いながら、
リズボアの水晶宮のフロアーに着くと、この前話した中国人Y社長とバッタリ会い、
彼は私に
「とうとう勝って良かった。最後に勝った分を元手に更に増やして帰った方が良いのではないか」
と背中を押します。
水面に浮上したらそこで一端引くというカジノの鉄則がしきりに頭をよぎります。
彼の勧め（？）に従って例のチビチビ打ちを始めるとこのやり方では殆ど負けない自信があって、
少しばかり増えて来たので、またまた私の気が大きくなりはじめ、
この程度の勝では意味もない、も少し増やして見ようとチップの貼を大きくしていったのでした。
このあたりからどういう訳かというかやっぱり勝ち進んだという事はなく、
むしろ少しずつ勝ち分が後退し始めていたところ、時計を見ると12時少し前です。
こんな時の私の中のマナーの一つやってはいけない打ち方をついついやってしまいました。
それは、これが最後という時、かなりまとまったチップを置いて勝負するというヤツです。
勝てば倍、負ければそっくり取られるという、いわゆる一か八かの勝負です。
結果は取られて終わったのでしたがものは考えようで、
もしこれが勝ったとして果たしてそこで終わったかどうか、
おそらくは我欲に駆られて打ち続け、
やっと水面に浮かんだものがいつのまにか水底でもがく様になっているかも知れないのですから、
これで良かったと思うことにして、
とにもかくにも今回は負けなかったという勲章を持って帰れたという貴重な一戦ではありました。（おわり）

マカオ行き 2012-07-30

エンペラーホテルでの美味しい飲茶と打ち合わせを終えて、
もう一度「リズボア」へ戻るのがいつものパターンでしたが、
この度は何となくこれを変えてみたい気持ちがして来て、
つまりは夕べの負け方は我ながらあまりにもみじめで
負けモードを吹っ切るにはショバを変えるのが最善と、
その様に彼等同好の士に提案したところ、簡単に同意してもらい、
歩く時間はもったいないとばかり「タクシー」で「ウイン」を目指しました。
久しぶりに「ウイン」のカジノに入ると週末とは言え昼間の時間帯はプレイヤーの数は少なく、静かでした。
入口の近くのバカラテーブルのミニマムを見ると結構高いレートが書かれており、
これではやれないかなとよくよく見ると、メンバーオンリーのコーナーで元々メンバーでない私は入れないテーブルで、
私にあったテーブルはその先にいくらでもありました。
そこでの戦いぶりといえば、場所を変えて本当に良かったと思う程、
私の集中力は冴え渡り、夕方までに昨夜（今朝）のリズボアでの負けは完全に取り戻すことが出来ました。
この様に書くといとも簡単につきに乗じて勝ち取ったと思われそうですが、
一言言わせてもらいますと、夕方までの約3時間の戦いの間、
私の集中力は我ながらたいしたものと言える程、
緊張の連続でして、負けから浮上した時はさすがに脱力感に襲われた程でした。（つづく。。。）
ホテル リスボア (トリップアドバイザー提供)

マカオ行き 2012-07-28

次の日は11時にブランチと約束していましたので、睡眠はまずまず取れたと言えます。
ブランチを取りながら恒例の2社の社長との会議をすませた午後の話の前に
今回私にとって特筆すべきことに触れておきます。
前に書いた通り、出発が遅れたことでチェックインの前に
時間調整のつもりで書店を覗いてあれこれ携帯したい本を物色している中に、
あるタイトルが目につきました。
それは伊集院静の「作家の遊び方」というものでして、
手に取ってパラパラめくったり目次を見たりして中身を確かめていると帯の惹句が目にとまりました。
何と「遊ばなくては見えないものはある。私はそう考えている。」と。
手書きになっており、当然著者本人の考えに違いないと思い、そのまま買ってしまいました。
この言葉は私の思いにピッタリで、これからマカオに向う私のために用意されたようなものでした。
前にもブログの中で書いたようにこの著者が私と同じ側の人間と勝手に解釈しているものですから、
何となく親しみを持ってしまいます。
内容はある週刊紙に連載したものをまとめたとありましたが、
私は見たことがなかったので全て新しい読み物でした。
遊びの種類は様々で、書かれていたものも多岐に亘りますが、
著者は競輪に力が入っているように見受けられたものの、
フランスのアンギャン、ドウヴィルのカジノの件は私の旅した先でもあり、
当時のそこでの事が蘇って来て全くもって 遊びはいいものだと改めて実感した次第です。（つづく。。。）

タグ：作家の遊び方

マカオ行き 2012-07-27

さて、食事の後の戦いの事です。
先程手にしたコストゼロの勝ち金を元に今回は最高の結果をつかんで帰ろうと張り切りました。
もちろんこの決意を口に出して他人に聞かせることはしませんでしたが、
もしかしてディラーに伝わってしまったのかもしれません。
何故なら、ゲームはことごとくはずしてしまい「あっ」という間に勝ちチップは消えました。
後から思えば、今日のところはこれで終わりにして部屋に帰れば良かったのです。
これが出来るか出来ないか、それが問題です。
この時の「やめる」という強い意思決定とそれが出来ない時の行動が
その後の私の運命に大いに影響して来ます。
私の博打の場合、大概この先は行かずと決断することは極めてハードルが高いのです。
それでどうなったかというと。
私はその時、初めて手持ちの資金をチップに換えてゲームに挑みました。
負けたり、負けたり、勝ったりの勝負をしている中に
何回となくバックの手持ち資金に手を伸ばし、減らし続けます。
気がつくと時刻は午前3時を回っています。
さすがに勝てぬゲームを打ち続け自分でも集中力が失われていると感じ、
ベッドへ行くほかはありませんでした。
ベッドに入っても負けっぷりが気になってまんじりともせず、
なかなか眠れませんでしたが、おそらく5時近くになって、
どうやら意識がなくなったのだろうと思います。（つづく。。。

マカオ行き 2012-07-26

どのテーブルでやるべきかと例の電光盤の出目具合を見ながらウロウロ歩いていると、
偶然にもそこに知り合いの中国人Y社長がプレイ中でした。
そこは、次に「プレイヤー」に来ると確信出来る場面で彼も「プレイヤー」に間違いないと自信有り気です。
そこで私は思わず彼からチップを借り受け勝負することにしました。
予想した通り、“P”となり、たちまち玉が出来ました。
借りた分をその場で返し、勝ち玉を続けて“P”に置いたところ、
これも取れて極めてうまいすべり出しです。
そして、次も”P“が取れてツラの目に乗れたようなのです。
ここで私はその日の流れを実感しながらチップを置いているわけでなく、
偶々連続勝ちに遭遇したにすぎないことに気付き、
この際そこで勝ちを確定することにして、次は貼らずに席を立ちました。
この分では手持資金に手をつけなくてもこのまま増やせそうな気持ちになったのです。
そうなると急に慎重になって、勝てそうなテーブル選びに念が入ります。
そういうわけで、中々プレイに入れずにいるうちに、
機内食を食べただけで他に腹に入れていないことに気づき、
階下の食堂で夜食を取ってまず腹ごしらえをして、しっかり戦うことに決めたのです。（つづく。。。）

マカオ行き 2012-07-25

今年7月から、成田空港からマカオへ直行便が開設されると聞いていましたので、
私としては早くそれを利用して見たいとスケジュール調整を行い、
ようやく7月20日から22日までの2泊3日の挑戦旅行を果たしました。
このフライトスケジュールは誠に適切でこれからも暇を見つけて体力の続く限り出かけてみたいと思っています。
20日の金曜日午後4時の成田出発便でマカオには午後7時50分の到着予定。
帰りは22日日曜日午前9時30分マカオ出発、成田到着午後3時と、
一応現役の私には理想に近い見事なタイムスケジュールというわけです。
さて、今回その間にあったことで報告すべき事柄のいくつかを書くことにします。 　
まず、出発日当日、若干拍子ぬけしたのはチェックインカウンターで
いきなり2時間10分の出発の遅れの案内で、これは初日のマカオの貴重な時間が短縮してしまうことをまず心配しました。
今回のマカオ行きは、本来はアモイで取引先と会議をするところ、
彼等の会社の社員旅行が香港、マカオとなっており、
偶々時が重なったことと、もう１社取引先工場の社長が豪州へ出張の途次、
マカオを経由することになったこともあり、マカオで会議をしようと趣を変えたものでしたから、
会議スケジュールに何らかの影響が出ては困るなということでした。 　
いずれにせよ、夜中の到着で夕食はもとより、その日は会議の時間も取れないので、
これは翌日に回さざるを得ませんでしたが、問題はこの中途半端な時間をどう使うかということです。
とは言え、本当は問題でも何でもありません。
只そのままバカラテーブルに向かえば良いだけの話です。
というわけで早速運試しとばかり始めることにしたのです。
それからの帰国日までの経過を正直にかいつまんで報告致します。（つづく。。。）

カジノの話 2012-06-29

 マリーナ・ベイ・サンズ

シンガポールのカジノはオープンしたのがつい最近のことで一応珍しがりやの私としては、2年程前にマリーナ・ベイ・サンズとリゾートワールドセントーサの２ヵ所のカジノを体験しまいしたが、結果は悔しい思いをした事を思い出しました。

 当時、シンガポールの話題のカジノを経験した事ではほぼ満足感を得ていまして、

勝ち負けは二の次と自らに思い込ませていたのでした。

が、今回再び訪れる事になり、連続負けを喫することなく戦って見ようと内心決めていました。し

かも前回特に負けが大きかったサンズに絞り込んで集中して見ることにしました。

 最近私はマカオのバカラゲームで興味を持ってしまった大眼仔の画面がここでもあるのか気がかりでしたが、しっかり画面は表示されていて、何とか私の直感と大眼仔をフル活用すれば、うまく行くような予感が持てたのです。 

やり口としては、私の定石となったちょびちょびチップを置くやり方で、見（ケン）を交えながらゲームを進めました。

キチンと睡眠時間を取る事を心掛け、ひき時を誤らずに毎晩通った結果、チップは増えたままで終了することが出来ました。 

ところで問題が一つありました。それは、カジノでカジノチップに換えるには現地通貨のシンガポールドルを買う必要があります。

持参した日本円を窓口で交換してシンガポールドルを増やしたことになるのですが、帰国に際して日本円に戻す段に窓口に行きますと何と日本円に戻せないのです。

このことは実はマカオでも起きていました。

せっかく回収したホンコンドルを日本円に戻せないのです。

何とも不都合な話で、現地空港や日本の外貨取扱銀行でマネーチェンジするしかなく、相当なコミッションを覚悟しなければなりません。

ですから少々の勝ちでは目減りする一方であります。（おわり）

カジノの話 2012-06-28

この前、約束しました5月の連休、シンガポールでの戦いぶりについて報告します。
私達夫婦と中国の2つの取引先工場の総経理夫妻等と、全員で6名の旅行です。
5月2日、私達は直行便で17：20にチャンギ空港に到着しました。
昼間は皆で観光、夜は男性3人でカジノという基本スケジュールが出来ていて、
夜は出来るだけ美味しい料理を楽しもうというものでした。
先にディナーのことについて書いてしまいますと、正直私としては余り満足できませんでした。
それが、シンガポールと聞くと料理は新鮮な海鮮料理というイメージが私にはあって、
今回も蟹を食べつるもりでした。
蟹そのものは申し分ない程大きくて、今まで生きて動いていたのを料理してくれたのですが、
又期待を裏切られてしまいました。
といいますのは、味付けがバカ辛く、私が食べ慣れた蟹の味がすっかりどこかに行ってしまい、
ヒリヒリしながら食べたものの、美味しさを堪能したとはとても言えなかったのです。
 
『チリ　クラブ』シンガポール定番の蟹料理です。

そして、もう一つ付け加えますと、大抵の世界中の都市には日本料理の店があって、
そこは地元の人や観光客、そして日本人客が多く訪れて、
そこそこの日本料理にありつけるのですが、
私の探し方が足りないのかシンガポールには私が期待するような日本料理の店が無さそうで、
とうとう本格的な日本料理の店に行きつけませんでした。
この思いはどうしたものかと私の中で悶々としています。
これにひきかえ、カジノは満足な結果で、この次に書きます。（つづく。。。）

今年の私のカジノについて 2012-06-04

これまでこのやり方をしなかったのは、
バカラの次の手など誰にもわかるはずもなく自分のインスピレーションに頼るしかないと頑なに思い続けていたことと、
時々一緒にゲームをして来た中国人社長のY氏の次の目を読むやり方がこの方法であったにも関わらず、
毎回毎回、分からぬと分からぬと呻吟して、しかも負ける結果に終わることが多いことからそうして来たわけであります。
そこで今回私が取った方法はまず、チップのマネジメントに制限を設けました。
つまり、手持資金の中から最初にバイインする額を小さくすることからスタートし、
頭の中には大勝をイメージせずに、一歩一歩、一回一回大切に冷静にやることでした。
そして表示板の「大路」と「大眼仔」の両方を見つつ、
次の手を決定する作業を行うというものです。
そうすると今までのインスピレーションだけで決めていた次の手と、
この方法による次の手の指示は当然異なることがおきて来ます。
こんな時、私は「大眼仔」の指示による予想を採用して見たのです。
すると、何と結構的中率が高いではありませんか。
勿論、全て当たるわけもありませんが、同じ外れるにしても今まで迷いに迷ったあげくのはずれではなく、
極めて淡々と結果を認めることが出来て、精神的に疲労がなかった様に思えたのです。
毎回、張るチップの額が小さいので急激に増えたり減ったりもしなくて時間を掛けて楽しめるなど、
ゲームの楽しみも味わいながら、手持はいつのまにか増えはじめていました。
そしてもう一つ他人が見ればせこい方法ですが、
勝つほどに小さいチップの枚数が増えて来るといつの間にか自分の前にチップの山が築かれ、
いかにも勝っている風景なのですが、その都度大きいチップに交換してそのままテーブルの上に置かずに上着のポケットにそれをしまい込んで見たのです。
そうすることで、気持ちを引き締めようと心がけたのです。
今までの経験では、テーブルにチップが大量に貯まって来ると、ここぞと思う手の時に、大勝の誘惑に駆られてしまい、大張りをした結果、それまで永々と貯めこんで来たチップをあっという間にとろけさせた苦い思い出があるのです。
そんなこんな人知れず自分の中で葛藤しながらゲームを続けた結果、前回の穴うめが出来たのでした。
これも失敗から学んだことから得た眼に見える成果だと思っています。（おわり）

今年の私のカジノについて 2012-05-31

その裏付けとなった経過をこれから説明します。
いずれにせよ、３月の負けは、しっかり私の胸に刻みこまれていて、決して忘れはしませんでした。
この時の挑戦は「私達」にとって、どちらかと言うと前哨戦のつもりだったのです。
今、「私達」といいましたのは、その後のゴールデンウィークの連休を利用して、
取引先の2つの中国工場の総経理夫妻と私達夫婦の6人でシンガポール旅行を計画していたのです。
最近のシンガポールの見所を見学するのは勿論ですが、
「私達男性3人」のもう一つの目的であるカジノでのゲームに対しての期待は大きかったのです。
この話は後で書きます。
さて、4月のマカオはそういう訳で、力みはないものの前回の悪いやり方をしっかり学習して、
私本来のチマチマとチップを置くやり方に徹することを固く心に決めて、ゲームに臨んだのです。
私の種目をBJ（ブラック・ジャック）からバカラに転向してかなりの月日が経っていますが、
これまでも色々と書いて来ましたように、私のバカラの基本動作はインスピレーションによるものでした。
マカオのバカラテーブルは、電光板に経過が即時に表示されるのですが、
通常多くのゲーマーが見ているのは大路（ダイロ）と言う盤面に記された実際の結果を辿りながら
次の手を読むわけです。
表示板にはその他に大眼仔（ダイガンチャイ）、小路（シュウロ）、カッチャロと呼ばれる
青・赤の印が表示される枠があります。
それらは実際の出目そのものと違って前列目、２列前、３列前の出目の結果と同じ経過であったか、
或いは異なった出目であったかが記録されることになっており、
この決まりを理解の上で、データに基づいて次の出目を予想するという方法でゲームをするので、
明らかにインスピレーションでチップを置くのとは違ったやり方です。
私の友人の中にはこの出目を参考にしながら張りを決定しているのですが、
いずれによるやり方をしたとしても絶対当たる保証はないのです。
ゲーマーの殆どが勝てないのが何よりの証拠です。
この出目表のことを書いたのは、私のインスピレーション頼りのやり方に加えて
、データに基づくこの大眼仔の表を参考にするとどうなるのかということに大変興味を持ってしまったのです。（つづく。。。）